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創造の源は、生と死を内包するチカラ。

この感覚は、どう表現したら良いのだろう。
私は私の中心にある「創造の源」に触れているようだ。
ずっと手を伸ばし、自らの内奥で探し続けてきた、人を人とたらしめるチカラ。
私が私を超えて欲してきたチカラ。
創造の源とは、破壊であり、接合であり、誕生であり、昇華である。
そして、葛藤と融合、刹那と永遠である。
あゝこの世界は、なんと精緻にできているのだろうか。
今、この胸の内に感受する、この世界に溢れかえる美醜。
優しさ、残虐性、悦び、冷血、誕生、亡び、愛憎、幻想、真実、夢…。
人が「生きたい、生きていたい!」と叫んでいる野生の声として私の胸に響く。
どんな声も、切なく愛おしい。
世界に響きわたり、空気を振るわせている。
ときに繊細に、ときに強烈に。
この蠢めく振幅を肌に感じながら、私は、私たちは、何かを強く欲している。
生み出したいと希求している。
生きている実感。
生きている恍惚。
唯一無二の私。
唯一無二のあなた。
私は、私たちは、「ここにいる」と声だかに謳うように。
私の代替はいない、あなたの代替もいない。
私は私を超えて、私が世界に放たれる。
世界そのものと、繋がりたいと。
こんなに世界は甘美で私を魅了し続けているから。
その只中を全細胞で感じるたびに、生きている情熱は増していく。
そうか。
創造の源は、生きたいという原初の生存欲求なんだ。
だから、アートを、クリエィティヴィティを、私たち人は、求めたいと手を伸ばしながら、遠ざけてもきた。生と死を内包するチカラだから。
※作品タイトル『太陽と月が 沈まない場所》