なごやヘルスケア・アート推進プロジェクトによる、高齢者施設でのアート企画の進捗です。
私の担当は、コンテンポラリーダンス企画。
昨日は、京都で活躍されているダンサーの池端美紀さんと事前打ち合わせでした。
「これまでその現場になかった創造性を発揮すること」と「現場での潜在的ニーズ」を掛け合わせるという、ヘルスケア・アートの醍醐味。ダンサーさんならではの動き・音・ビジュアルの組み合わせによる身体性へのアプローチがあり、企画のアートディレクションをさせてもらっている私には面白すぎます!まさに、その現場に漂う空気をダンスとして捉え、踊り表現するような取り組みです。
なごやヘルスケア・アート推進プロジェクトの企画編集会議に参加しました。
ヘルスケア・アートという、アートが社会に活用されていくそのプロセスに、私が学んできた「アートのメカニズム」「アートとメンタルヘルス」「アートと医療・福祉」の知識や経験が、必要とする誰かの力になればという想いです。
ヘルスケアの分野におけるアートとは、アートを専門的に扱うということではなく、現場での多様な視点をつなぐツールとしてアートを活用するということ。つまり、人を活かすために。より良い場づくりのために。
ここにアートが介入することの大きな意義、目的があるのだと思います。
先日19日は「ヘルスケア・アートマネジメント企画WS」に参加しました。
前半はレクチャーが2つ。
①医療現場にアートを取り入れた事例やその具体的な導入プロセスの紹介、『名古屋市立大学 鈴木研究室の取組みから考える アートマネジメント』として高野慎吾さん(名古屋市立芸術工学研究科博士在籍・彫刻家)がレクチャーされました。
次に、②高齢者施設の空間が入居者に与える変化について、『高齢者が施設で暮らすということ』として鈴木賢一先生(名古屋市立大学大学院芸術工学研究科 教授)のレクチャー。
高齢になり様々な理由から施設入居する際、「生活の落差」が起きることを説明いただきました。落差には5つの視点があり、「空間の落差」「時間の落差」「規則の落差」「言葉の落差」「最大の落差」(『自宅でない在宅』外山義 著より)とのことでした。
今回は私自身のヘルスケア・アートの取り組みについて簡単にご紹介したいと思います^^
私はアーティスト活動を行いながら、アートが美的鑑賞物となるだけでなく、「アートと心のメカニズム」について様々な分野・角度から専門的に調査研究してきました。
そして、このアートの効用を人類共通の「生きる技術」として社会に活用する、理論を抽出することはできないだろうかと模索を続けている20年です。
このアートと心のメカニズムを広く知っていただくことで、「心の予防医学」から「創造の根源と繋がり自らの命を全うする生き方」へと深く人生を指し示す道しるべになると考えています。
アートに生きることを志してきてから、私なりに紆余曲折しながらも、今まで来ました。「抜け出せないほどに私を魅了しているアートの力があり、その力に惹きつけられてきた」というのが、実際のところです。アートが私を惹きつけてやまない部分。それは、人の普遍的な生命力と関わっている。そこに気づいてから、アートが美的鑑賞物となるだけでなく、アートをきっかけに、人がダイナミックに変容し、生き方の価値観さえも変えてしまう現場を多く目撃してきました。そうした経験から、「人が変容し、場に命が宿るようなアートの活用法がある(アートは場の装置になる)」と直感し、多くの人がこのアートの機能にアクセスできるよう、普遍性を抽出し、理論化することはできないだろうかと模索した20年です。